概要
画像引用:wikipedia
銃の歴史において、これほど特徴的な銃はないであろう。
7秒で作れる究極の生産性。それでいて兵器としてまったく使い物にならない低性能。
100万丁という膨大な生産実績を達成。いらないので海洋投棄されるという最期。
起承転結がすごい。
それでは、この奇妙な拳銃をご紹介しよう。
第二次世界大戦、ドイツ軍がポーランドに侵攻し、アメリカは占領下にある各国のレジスタンス支援が必要と考え始める。
そのために安価に大量に作れる兵器を作ろうと考えた。
しかし、トンプソンマシンガンのようにしっかりとした銃器ではなく、レジスタンスの活動をサポートできる性能で良いとされ超極秘に開発は進みリベレーターは誕生した。
生産はゼネラルモーターズが担当し、1週間で100万丁という人類史上、二度と抜くことのないであろう生産性をたたき出す。
しかし、そんな生産で大丈夫かと誰もが心配しそうなものだが、もちろん大丈夫ではなかった。
バレルは超短く、ライフリングがないため弾はまっすぐ飛ばない。
銃には1発しか入らないので、撃つたびに手動で弾を入れなおさなければならない。
10発~15発撃つと溶接部が破損してくる。
レジスタンスがドイツ軍の妨害活動に役立ててくれる程度の想定なのでこんな性能でも良いのかもしれないが、実際にはステンガンなどまともな装備がレジスタンスにわたる事になり、リベレーターを使おうなどという酔狂な人はいなかったようだ。
生産されたものの大半は廃棄処分となり、スクラップになるか海洋投棄されることとなる。
昔から「兵は拙速を尊ぶ」というが、兵器の生産で速さだけを求めてはいけないようだ。
サバイバルゲーム業界においてリベレーターのエアガンは販売されていない。