2020年で一種のフロンガスは規制により全廃！ガスガンは使えなくなるの？ | サバゲーナビ

サバイバルゲームでよく使われるガスガンですが、これの主なパワーソースはフロンガスです。

フロンガスはオゾン層破壊や地球温暖化になるという理由で規制されるとニュースなどで報道されておりますが、ミリタリーショップではまだフロンガス缶が山のように販売されており規制されるという実感はありません。
しかし、フロンガスの一種の生産および消費は2020年までに全廃されるという事実を知っている人はどれほどいらっしゃいますでしょうか。製造量の減少ではなく全廃です。

では、2020年からフロンガスは使えなくなるのか？在庫分は使えるの？フロンガスでサバゲーしたら違法行為になるの？

今後のサバゲー産業のパワーソースへの理解を深めるためにも、フロンガスについてご紹介いたします。

フロンガスとは1928年に開発された人工のガスで、燃えにくく人に無害だったりと優秀なガスのためスプレー缶やエアコンなどに使われるようになりました。
それから活躍の場は広がり、電子部品の製造工程などにも使われるなど世界的にフロンガスは活躍しておりました。
しかし、1974年にアメリカ人科学者がフロンガスは成層圏のオゾンを破壊することを発表し、世界的に環境を保護しようという動きが始まっていきます。

そしてウィーン条約やモントリオール議定書など様々な国際的取り決めのなかでフロンガスは規制されていくことになりました。2020年のフロンガス規制もこのためです。

実はフロンガスには種類がいくつもあります。その中でも代表的なものを紹介いたします。

※参考
https://www.jason-web.org/.....pdf

初代フロンガスであるCFCは1996年に全廃されております。
CFCの代わりとして生産されたHCFCですが、これが2020年に全廃が決まったフロンガスです。

HFCがエアガンでよく使われているフロンガスで、代替フロンガスなどと呼ばれております。
代替フロンガスはオゾン層を破壊しないメリットはあるのですが、温暖化効果が高いため環境に良くないとされています。
東京マルイが発売されているフロンガス缶ですが、これはHFCの仲間である「HFC134a」が使われております。
LAYLAXが発売されているフロンガス缶は、「HFC152a」です。

2020年に全廃されるのはHCFCで、代替フロンガスHFCの生産は続けられるため現在のガスガンを使うことはできます。

代替フロンガスHFCが全廃にならないのならずっとフロンガスで使い続けられるのでしょうか？
残念ながらそうではありません。

　
経済産業省、環境省が平成30年7月公開した資料によりますと、削減するスケジュールが決められております。
※参考
https://www.meti.go.jp/...0003-1.pdf

2019年より代替フロンガスの生産量、消費量の削減は始まっており、2024年には40%、2029年には70%が削減される予定です。
長期的な削減ですので急に無くなるわけではありませんが、いずれは無くす方向で国全体が動いております。
代替フロンガスも現在ではエアコンなどに使われており修理などで消費されるため、限りある代替フロンガスを奪い合うようになると代替フロンガスの値上がりは予想されます。

代替フロンガスHFCを使い続けることは可能ではありますが、いずれは困難になっていくでしょう。

代替フロンガスは急に使えなくなるわけではありませんが段階的に減少していきます。
それに対応するためか、東京マルイからノンフロンガス『HFO1234ze』という地球環境に配慮したガスを使用したパワーソースも発売されました。
ただし、これは従来の代替フロンガスに比べて10%のパワーが落ち、流通量も少ないためか価格は高くなっております。

エアガンメーカーもガスガンを販売し続けるのであれば東京マルイのノンフロンガスのように新しいパワーソースを検討しなければならない時期が少しずつ近づいてきております。
2029年には70%の代替フロンガスが削減される予定です。
その時に高価になった代替フロンガスしか使えないエアガンしかないのか、それとも別のパワーソースを使うことができるエアガンがあるのか、サバイバルゲーム業界にとってどちらが有益かは想像に難しくありません。

最近ではCO2ガスガンが普及し始めてきました。
CO2を使用したエアガンは使用できないフィールドも多かったのですが、少しずつ解禁されるようになっております。

少し話は変わりますが、CO2のガス缶をそのまま代替フロンガス用ガスガンに使えば良いのではと思う人がいるかもしれませんが、仮にそのまま使おうものなら法律で定められた初速を超えてしまったり、エアガンが破損、最悪は大怪我に繋がる恐れもあります。
※ブローバックしたスライドが割れて後方に吹き飛び、顔に直撃するなど

メーカーは指定したガスによって適切に動作するよう設計、品質管理をされて製造されております。メーカーが定めたガス以外のガスを使用することは大変危険ですので絶対にやめましょう。


新たなパワーソースで今の代替フロンガスHFC専用エアガンをそのまま使うことはできません。しかし、今までの技術を流用して新たなパワーソースに対応したエアガンを作ることは可能です。

長期的に考えると、ノンフロンガスやCO2ガスですら規制される時代が来るかもしれません。
その時に、古いパワーソースを使い続ける道を選ぶのか、それとも新しいパワーソースのガスガン開発の道を選ぶのか。
安全性や法律、様々な問題がサバイバルゲーム産業に立ちはだかるはずですが、それをどう乗り越えていくかはサバイバルゲームに関わる全ての人で考えていくことになるでしょう。

現在(2020年2月)では、代替フロンガスはまだ使うことは可能ですが、今後は少しずつ削減されていくことになります。
そしてCO2エアガンが少しずつ普及し始めている状況です。

皆さんは10年後、20年後にガスガンのパワーソースは何になると想像しますか？
時代の流れと共に変化、革新を続けることでサバイバルーゲーム産業が成長し続けることを心より願っております。